近年、久しぶりにアルツハイマー型認知症のお薬が日本で発売されました。
今回はその発売された2種類のお薬についてのお話です。
アルツハイマー型認知症ってどんな病気?
アルツハイマー型認知症は、何らかの原因で脳の神経細胞のはたらきが悪くなり、記憶・判断力といった知的機能や感情面に支障が出てくるために、日常生活をうまく送れなくなってしまう病気です。いつのまにか始まり、徐々に進行していくのが特徴です。治療を行うことによってその進行を遅くすることができます。
アルツハイマー型認知症の治療薬
治療の中心は薬物療法です。以下の2種類があります。
@ コリンエステラーゼ阻害薬(レミニール、アリセプト)
脳がさまざまな働きをする上で、神経どうしで情報を伝える役割を果たしているのが神経伝達物質です。アルツハイマー型認知症では、記憶や学習を担当しているアセチルコリンが減っていることが知られています。レミニールには次の2つ効果があります。
(A)アセチルコリンを増やす作用 神経のすきまにあるアセチルコリンが 分解されるのを抑えて、情報の伝達をよくします。 アリセプトもこの作用をもっています。 |
(B)神経の伝わりをよくする作用 さらにレミニールはアセチルコリンの 受容体に作用することで、情報を伝える 物質を放出します。 |
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A NMDA受容体拮抗薬(メマリー)
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たくさんの刺激物質によって神経細胞の働きが 低下するため、記憶や学習機能が障害されます。 |
メマリーが過剰な刺激物質をブロックし、神経細胞 を保護します。また、必要な刺激だけを通すことに より、記憶・学習機能を改善します。 |
服用中に気をつけていただきたいこと
どちらのお薬もご自分や家族の判断で服用を中止したり、量を加減すると認知機能が悪化することがあります。主治医の指示に従って、毎日決められた量を服用するようにして下さい。
参考:レミニールを服用される方へ(武田薬品)、メマリーノート(第一三共)
文責 淡吉朱視
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